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二丘傍核から上丘浅層へのコリン作動性投射を解明した論文が J Neurophysiol 誌にアクセプトされました

2020.10.20

二丘傍核 (parabilgeminal nucleus = PBN) は中脳上丘の近傍にある小さな核で、アセチルコリン作動性ニューロンを多く含み、上丘との間に双方向性の結合を有し、上丘の “サテライト核” と呼ばれてきました。魚類などでの相同な構造は isthmi 核と呼ばれ、視覚に関する学習行動に重要な役割を果たすとされ、また鳥類においても重要な役割が示唆されてきましたが、ほ乳類における機能はよくわかっていませんでした。

今回の研究で徳岡広太研究員らは、Chat-Cre マウスに AAV ベクターを用いることで二丘傍核のコリン作動性ニューロンに選択的にチャネルロドプシンまたはハロロドプシンと GFP を発現させ、その軸索投射様式を詳細に解析し、さらに光刺激による興奮、抑制を組み合わせた電気生理学的解析を行いました。その結果、二丘傍核が、上方から到来する捕食者などに関する視覚情報を、側方抑制を増強させることでより鮮明にする機能があることを明らかにしました。

Tokuoka K, Kasai M, Kobayashi K, Isa T (2020) Anatomical and electrophysiological analysis of cholinergic projections from the parabigeminal nucleus to the superficial superior colliculus. Journal of Neurophysiology, in press.

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