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マーモセットとマカクザルとヒトの眼球運動系を種間比較した論文が J Neurophysiol 誌にアクセプト!

2020.12.09

近年、小型の霊長類のコモンマーモセットが、遺伝子改変動物を作ることができる、ライフサイクルが速い、滑脳構造なのでイメージングに適している、社会性が豊かである、などのいくつかの理由から新しい脳科学のモデル動物として注目されています。私たちの研究室でも Chen 特定助教を中心とするグループで、マーモセットを用いることで眼球運動や注意の脳内機構について、これまでマカクザルを使ってなかなか解けなかった問題を解くことができる可能性を期待して、研究を進めています。今回、最初のステップとして、様々な認知機能を反映する眼球のサッケード運動系について、マーモセットとマカクザルとヒトにおいて、同じ視覚誘導性サッケード課題や free viewing 課題を課して行動の比較検討を行いました。その結果、サッケード生成機構や視覚対象のサリエンシーの検出機構は3種の動物でほぼ定性的に同様であるものの、サッケードの速度プロファイルや free viewing 中にそれぞれの個体がどの程度共通の対象に眼を向けるかという程度などいくつかの指標で興味深い種差があることも見出しました。この研究は今後マーモセットも含めた霊長類の認知機能の種間比較に関する landmark paper になるものと期待されます。

Chen C-Y, Matrov D, Veale R, Onoe H, Yoshida M, Miura K, Isa T (2020) Properties of visually-guided saccadic behavior and bottom-up attention in marmoset, macaque, and human. Journal of Neurophysiology, in press.

biorxivでは

Chen C-Y, Matrov D, Veale R, Onoe H, Yoshida M, Miura K, Isa T. Common properties of visually-guided saccadic behavior and bottom-up attention in marmoset, macaque, and human. bioRxiv 2020.05.27.120428; doi: https://doi.org/10.1101/2020.05.27.120428

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