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【連続ブログ第6回】

2020.12.05

第6回 外国との付き合い

 第5回を書いてからしばらく間隔があいてしまいました。実は「留学」とか「外国との付き合い方」と言ったことについて書こうと思っていたのですが、Covid-19 のせいで海外への渡航が困難になっていることから(またそれがいつまで続くかわかりません)、従来通りの外国との付き合い方を書けば良いということではなくなってきたような気がして、内容を練り直す必要が出てきてしまいました。

 従来であれば、

科学はグローバル。一方でやっているのは皆人間。やはりお互い知っているかどうかによって信頼のされ方が違う。違う文化、違う発想をする人と触れ合うことで新しい研究が生まれる可能性が高い。また現実問題として、世界の主流をリ-ドしている人たちとの付き合いも重要。英語力も重要、と考えれば留学は間違いなく必須だし、一方で外国の著名な研究者にも日本に来てもらってこちらの土俵で良く知り合うこともとても重要な活動です。

・・・という話をそれなりに私自身の経験も含めて書けば良かったのだと思います。

 しかし、今のこの状況においてはどうすればよいのでしょうか?特に SfN に代表される国際会議が face-to-face で行えなくなっています。オンラインでの代替イベントはありますが、時差のせいで日本の真夜中に zoom で参加するのはかなり苦痛です。勿論出張したつもりで昼は仕事をしないと割り切ればよいのですが日本にいるとついつい昼は仕事し、夜は zoom なんて考えると全く生産的でなくなってしまいます。一方で欧米とではなく、アジア地域での結びつきをより強化するチャンスであるかもしれません。また、新しい情報を仕入れるための手段はもはや大きな学会やシンポジウムではなく、少人数の講師によるオンラインのセミナーや研究会のようなものに変わっていくのかもしれません。今の状況で唯一良い点があるとすればネット会議システムが発達した(より発達するであろう)せいで、これまで招聘するのが困難であった海外の著名な研究者をセミナーをオーガナイズしやすくなってきたことが挙げられるかもしれません。また、そういうツールを上手に使いこなすことが成功の鍵かもしれません。ただ、講師に呼ばれる人にしても、これまで会ったこともない人にいきなりオンラインでのセミナーに招待されても困るかもしれません。そういう場合には、長年の経験のお陰で知己もそれなりに多い我々の世代の人間が、うまく海外とのネットワークに日本の若手をつなげてあげる活動をより熱心に行う必要があるのかもしれません。そういった活動を通じて災い転じて福をなす、くらいのしぶとさが我々には必要でしょう。コロナになんか負けてはいけない。

伊佐記

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