今年の終わりに
・今年の正月は還暦祝いということで、子供たち2人の発案による家族旅行でペルーで過ごしました。人生の一大イベントでした。1月末から2月初めは招待されてカナダ2か所と米国 NIH へ講演ツアーをしました。幸せでした。2月中旬にもトンチャイさんが呼んでくれてバンコクに行きました。その後2月末から3月中旬にかけて海外2回、国内でもいくつかの出張で招待講演をする予定でした。それが2月23日の東京出張を最後に完全に止まりまた。
・外国も含めた外部との会議はほぼ全て zoom になりました。便利です。ちょっとしたことでも離れたところにいる人と小人数で話し合うことが大変気軽にできるようになりました。これは1990年代前半に起きたインターネットと電子メールサービス導入時に匹敵するコミュニケーション環境の変化と思います。しかし、長時間の zoom 会議はとても疲れます。一日の upper limit を設けないとまずいです。
・大人数での班会議や研究会、学会が全てオンラインになりました。休み時間の無駄話、懇親会が実はとても重要であることがわかりました。この点はブレークアウトルームや疑似懇親会アプリで幾分解消されつつあります。この方面の技術の発展に期待したいものです。
・外部の人たちとの研究上のコミュニケーションは良くなった部分もありますが、研究室の全体 Meeting は勿論のこと、日常のちょっとした Meeting も密を避け、手っ取り早く終えるのが普通になりました。
・皆で飯を食べること、飲み会もカラオケも歓迎会も送別会もなくなりました。この変化が短期であれば良いのですが長期にわたった場合に我々に起きるメンタリティの変化が気になります。
・既に近しい人とのコミュニケーションには問題ありませんが、初対面の人と知り合うのはやや難しい面があると感じています。そういう点でこれから知己を増やしていくことが重要な若い世代への影響が心配です。
・一方で論文を書く時間が増え、いくつかの長年たまっていた論文を書くことができました。
・一番きつかった4月頃は新規の実験は止めましたが、継続している実験はほぼほぼ継続しました。ただ、学部学生、特に病院実習を行っている学生の研究室への出入りが制限されました。せっかく沢山の学部生がいつもたむろしている楽しい雰囲気になっていたのですが、それが残念な状況になっていました。この点は今後 PCR 検査を行っていくこと等で問題は解消されつつあります。
・学生への講義実習が大変でした。慣れるのに相当の時間と失敗の積み重ねを要しました。最終的には学生の学習達成度が判断の基準になります。年明けの試験の結果が気になります。
・時差のため、外国での会議などに夜中に参加することになりますが苦痛ですし、我々には不利です。国内での諸々の業務のための出張はコロナ禍が終わった後もオンラインが定着してくれればよいものも多いですが、国際的なオンサイトでの scientific な meeting は復活してほしいと思います。
以上、今年の総括です。来年は少しはましな年になってほしいものです。良い年をお迎えください。
(伊佐記)